小豆島では、お墓がみんな海の方を向いている。いつでも海を眺められるように。
わたしがこの夏の小豆島滞在で一番印象に残ったこと。
劇団ままごとの劇中に出てきたエピソードなので、本当かどうかはわからない。でも、ちょっと坂を上って墓地の辺りから見える海は、格別に美しかった。
小豆島にてお世話になった方の訃報が届いた。体を悪くされていることは何度か聞いていた。島ではないところに入院してるって。タバコも吸えないって。
滞在最後の日、わたしたちは海釣りに出かけた。その人の船で。結局誰も一匹も釣れなくて、「一回くらい かかった! ってのを体験させてやりたかったなぁ」って悔しがってた。
打ち上げでグダグダにお酒を飲みながら、「いつでも帰って来いよ」と言ってくれた。
近くて遠い小豆島を想って、みんなで弔いのお酒を飲んだ。めちゃくちゃ酔っ払った。
次に島に行くときは、お花を供えてお話しに行こう。きっとそこからも、美しい海が見えるはずだ。